震災からのリフレクション(対話から体験の意味を理解する方法)

震災後、今起こっていることをどうとらえていいのか?自分たちは今、そしてこれから何をしたらよいのか? いまだどう捉えたらよいのか社会全体も混乱している状況ですが、この捉え方について考えます。

起こった事を振り返り、その意味を捉え直し、そして私たちが新たな一歩を踏み出してゆくきっかけとなる対話です。
ぜひ、このような対話の機会が色々な場所で持たれ、この体験から良いものを生み出して行くキッカケとなればと思います。ぜひ応用して使ってみて下さい。
そして、やってみた後にこのページにコメント頂ければ幸いです。(次にやる方へのとても良い参考になるはずです!)

※被災された皆様のメンタルケアを目的としたものではありません。社会全体で話し合って行くための方法です。

[note]【時間】90分〜3時間程度
【人数】3人〜6人程度(多い場合は複数グループに分けて)
【セッティング】アイランド
【道具】模造紙、水性マーカー、ポストイット等、A4用紙[/note]

手順

  1. セッティング
    模造紙をアイランドのテーブルの上に広げ、水性マーカーを自由に使える様に置いておきます。参加者はテーブルを囲んでお互いの顔が見える様に座ります。
  2. 概要
    まず、ファシリテーターから目的、進め方、終了時間などの説明をします。
  3. チェックイン
    一人ずつ順番に、この対話に期待する事や思いを一言ずつコメント。
  4. 個人で書き出す。
    「震災の体験で思った事、感じた事、考えている事」などを個人で書き出します。ポストイット1枚に1つずつ、何枚書いてもかまいません。あとで全員で共有して話をするので、見えやすく太いマーカーで書いてもらいます。
    ポジティブな事もネガティブな事も、まだ考えがまとまっていない事も何でも書いてOKです。
    個人で書き出す時間を5分くらい取ります。 

    5分経ったら、まだ書いている途中のものが書き終わったら終わりにします。 まだ書き足りなくとも、口頭で補足したり、後で思いついた事を書き加えたりできるので大丈夫です。

  5. 共有
    一人ずつ順番に書いたものを紹介して行きます。手元にあるポストイットを全員に見えやすい様にテーブルの模造紙に貼り出しながら、一枚ずつ紹介し、説明します。
    一人が終わったら順番に次の人へ回して行きます。 誰かが紹介した内容に近いものがあれば、そのポストイットの近くに貼ります。
    人数やメンバーによりますが、ここで15分〜30分程度 時間を取ります。
    全員が紹介し終わったら、貼り出されたポストイット全体を俯瞰し、話を聞く中で思った事、感じた事、考えた事などを話ながら共有します。
    話したい事がある人が自由に発言してかまいません。その中で特に以下の流れを心がけます。
    ● 他の人の話に便乗する。「○○さんが話していた話には同感で・・・」など、お互いの考えが繋がり合う状態を作る。
    ● 質問をする。他の人が話していた分かりにくかった点があれば質問をして理解を心がける。
    ● 人を否定しない。ここで出てくるのはあくまで個人の捉え方であって、それを他の人が否定する事は出来ません。 

    話しやすい様に貼り出されたポストイットを指し示したり、並べ替えたりしながら話します。
    下に敷かれた模造紙は全員の メモ用紙として使います。それぞれが思いついた事を全員が見えるように書いたり、対話の中で見えた構造を図解したり、ポストイット同士を並び替えて線で繋げたりグルーピングしたり、自由に使います。

  6. 個人化する
    上記ステップの対話 で得られるものは2つあります。
    ● 全体として何を感じ、考えているのかが共有できる。
    ● その中で自分がどう捉え、考えているのかが理解できる。 

    これを踏まえて「この対話を通じて今思っている事、感じている事、考えている事」をひとリずつA4用紙1枚に太いマーカーで書いてもらいます。
    後で全員に見せながら話すので、見えやすい様に要点を書きます。絵や図を描いたり、自由に表現してもらってかまいません。
    5分くらいこれを書く時間を取ります。

  7. チェックアウト
    最後に、上記で書いたものを一人ずつ紹介して行きます。
    「この対話を通じて今思っている事、感じている事、考えている事」?を全員でシェアして終了。

 

[tip]※「震災後」というテーマで行う際のポイント

  • ※被災された皆様のメンタルケアを目的としたものではありません。社会全体で話し合って行くための方法です。

 

  • 「まずみんなで話して、思いをシェアしよう」という目的でやっている場合にも「何かやらなきゃ!」という焦りや強い意識を持っているメンバーがいる場合があります。そんな時には必ずしも何かの行動に繋げなければいけないわけではない旨をあらかじめ説明しておきます。
    メンバーの中にはそれ以前の段階で不安を感じている人も居るかもしれません。そういった人たちを否定しているかの様な発言が出る場合があります。
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  • 具体的なアクションへ繋げて行く場合には最後に「今、私たちに出来るアクション」でA4用紙に書いてもらいます。その後、各自でアクションに繋げたり、プロジェクトを立ち上げて進めたり、それぞれの団体に応じた形で進めます。

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2 thoughts on “震災からのリフレクション(対話から体験の意味を理解する方法)

  1. ※「震災後」というテーマで行う際のポイント
     チームビルディングカフェの場合は、「話したい!」という人が集まってきているからOKなのですが、友だちやコミュニティの中で行う場合、本当に「被災」している人もいる可能性があるので、注意が必要です(・・・よね?)

  2.  専門的知識なしに、子どもに震災当時の記憶を思い出させると、心に大きな傷を負わせることになるというニュースも流れていたかと思いますが、大人であっても、無理に思い出す時間をつくることで、トラウマにさせてしまうことがあることを留意しておくといいかと思います。

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